30年以上前の楽譜2021年10月04日

家を新しくしたときに、色々なものを処分しました。今、不用品回収の怪しいセールス電話がかかってきても「不要なものは一切ありませんっ!」と胸を張って、強気で言えます。それまでは「(不要なものがいっぱいあるんだけど)ありません…」と言っていました。

そんな中でも捨てられなかったもの、それは楽譜です。私の中では、どんなに古い楽譜であろうと「不用品」のカテゴリーには入りませんでした。
そして今、あらためてそれらを見返してみると、面白いものや貴重なものがたくさん。

今日はその中のひとつをご紹介。ピアノピースの楽譜です。

ピアノプレイングシート

これは、楽器店の店頭やちょっとしたブースで販売促進のためにレッスンをするシステム用に作られた楽譜なので、一般にはそれほど出回っていないと思います。100曲以上ある中から好きな曲を選び、数回レッスンするシステム(そして楽器が売れたらいいね!)だったと思います。私が持っている楽譜は昭和62年発行の第2版。

これが、とても豪華なのですよ。バブルの香りがぷんぷんします。
まず紙が光沢のある紙を使ってます。今、こんな紙を使っている楽譜はまずありません。ま、ライトが当たると光って見づらいから今は使わないのかもしれませんが。

そして、表紙が写真です。ゴージャスです。映画音楽は、そのワンシーンが使われています。「ドレミの歌」にはジュリー・アンドリュースが、「太陽がいっぱい」にはアラン・ドロンが、ジェームス・ディーンが、オードリー・ヘップバーンが…表紙を飾っています。懐かしい…。

そしてもはや、ポップスのクラシックともいえる「イエスタデイ」や「レットイットビー」。これには、ビートルズの4人の写真が使われています。かなりレアもののような…。

価格は120円~150円。時代を考慮しても安いです。肝心な内容、アレンジは簡単に弾くことができ、かつおしゃれに仕上がっているクオリティです。

すべて揃うと圧巻ですが、手元に置いておいても活用しきれません。ということで、この秋から体験レッスンにきていただいた大人の生徒さんに差し上げることにしました。
なくなり次第終了でーす。って、しばらくなくなることはなさそう…。

<私の持っているピアノプレイングシート曲目一覧>
ユー・アー・マイ・サンシャイン
家路(交響曲第9番「新世界」より)
ムーン・リバー
メヌエット
愛の賛歌
コパカバーナ
メヌエット
ベニスの舟歌
エーデルワイス
舟歌
知床旅情
80日間世界一周
慕情
アラベスク
煙が目にしみる
愛情物語
エデンの東
アルハンブラの想い出
ドレミの歌
グリーンスリーブス
メリー・ウィドー・ワルツ
トルコ行進曲
ミスティ
渚のアデリーヌ
太陽がいっぱい
題名
ひき潮
ミスター・ロンリー
花売り
イエスタデイ
魅惑の宵
組曲「白鳥の湖」より情景
誰かが誰かを愛してる
サウンド・オブ・ミュージック
君住む街で
聖者が街にやってくる
ドナウ河のさざなみ
ドナ・ドナ
シューベルトの子守歌
枯葉
レット・イット・ビー
美しく青きドナウ
オーバー・ザ・レインボウ
ミスター・サマータイム
メモリー
想い出のサンフランシスコ
雪が降る
マイ・ウェイ
牧歌
白い恋人たち
マイ・ファニー・バレンタイン
花の歌
エリーゼのために
すべてをあなたに
オール・アット・ワンス
そよ風の贈りもの
フラッシュダンス
ワン・モア・ナイト
テイク・オン・ミー
エンドレス・ラブ
愛はかげろうのように
ネバーエンディング・ストーリー
ヴィーナス
ラブ・ミー・テンダー
フライ・ミー・トウ―・ザ・ムーン
サバの女王
ラスト・ワルツ
シェルブールの雨傘
いつか王子様が
ラ・ラ・ルー
星に願いを
チム・チム・チェリー
ヒア・ゼア・アンド・エブリホエア
追憶
オリーブの首飾り
サマー・タイム
あなたと夜と音楽と
恋は水色
青い影
ムーンライト・セレナーデ
スクリーン
シェヘラザードより「若き王子と王女」
ジムノペディー第1番
ラデツキー行進曲
展覧会の絵より「プロムナード」
ピアノソナタ「悲愴」より第2楽章
ジョニイへの伝言
なごり雪
Sweet Memories
雨音はショパンの調べ
ミ・アモーレ
中央フリーウェイ
あの日にかえりたい
卒業写真
守ってあげたい
恋に落ちてーFall In Love
My Revolution
シーズン・イン・ザ・サン
いとしのエリー
メロディ
聖母(マドンナ)たちのララバイ
Song for U.S.A.
いっそセレナーデ

音楽記号用語事典2021年09月16日

レッスン室から見える空も、秋らしくなりました。

コロナ禍、なかなか見えない出口にいい加減にしてほしい!という怒りと、いやいや医療従事者の人たちは大変な思いを…という自制心がせめぎあって、自分の気持ちも浮き沈みが激しい今日この頃です。

そんな中でも、進む仕事は着々と進むし、進まない仕事は遅々として進まないのはいつもどおりといったところでしょうか。

ということで、進んだ仕事をご紹介。
「いちばん親切な音楽記号用語事典」(新星出版社)に少し携わりました。

楽譜に書いてあるいろんな記号。音符を追うことばかりに注意が向いてしまい、ついつい無視していませんか?小さな点(・)でも、そこには意味があり、それは楽譜を読み解く大切なkeyとなります。
見えないふりをしないで、音符以外の記号も見てあげてくださいね。
名前も知らない記号たちは「形で引けるインデックス」が役に立ちます。
それはだいたい知っているわ、というツワモノには作曲家である著作者、轟千尋さんのコラムが大変タメになるでしょう。
ネコのイラストがにゃんともかわいらしいんです。
ぜひ楽譜のそばに置いて、ことあるごとに開いていただきたい1冊です。

音楽記号用語事典

発表会終了2021年06月25日

前回から1年足らずで迎えた発表会。
準備期間が短く不安もありましたが、開演してみればみんななんと立派に演奏することか。堂々とした姿、すばらしいです。

がんばって親子連弾に挑戦したおとうさん。
レッスンではふざけていたのに、ステージでは見違えるようにしっかりしていた男の子。
発表会だけ張り切る高校生は、カンペキにYOSHIKIになりきった。
それぞれの発表会が終わりました。

講師演奏は自作曲を初演。色々な風景をイメージして作った「Landscape」3曲を披露しました。
しかし、生徒全員の演奏を見守った後に演奏することが年々辛くなってきます。今回は人数が少なく時間も短かったのに、朝からリハーサルをして、開演するころにはすでに疲労感が…。終演間近はへとへとですわ。
ああ、しんどい。でもまた、すぐにやる気になる。この感覚が好きなんだろうなと思っています。

新版 保育のピアノ伴奏12か月(西東社)2021年04月05日

2016年に作った楽譜「保育のピアノ伴奏12か月」。
季節の歌や人気の歌の伴奏集です。とても弾きやすい伴奏だと評判でした。

このたび、新版が発売されました。どこが新しくなったのかというと…
曲数が6曲増えて156曲!たった6曲とあなどるなかれ。
超人気の曲や英語の曲が追加されました。
そして、各曲には演奏のポイントが書かれていますので参考になること間違いなし!

保育園や幼稚園、子ども園の先生方、パパ、ママ、おじいちゃま、おばあちゃま、子どもたちに携わるすべてのみなさま、どうぞ活用してくださいませ。



「●●●ときどきピアノ」をピアノの先生が読んでみた2020年08月02日

タイトルは時おり目にしていたものの、最初の単語にビビッて手にしていなかった本。
知り合いに勧められて読んでみました。


52歳のおじさんが初めてピアノを習い、発表会で「ダンシング・クイーン」を弾くまでのおはなし。
初めてレッスンを受けるときのドキドキ感や目からウロコ感が伝わってきて、一気に読みました。

楽器の競い合いを「決闘」、「ベートーヴェンは言ってみれば初代組長」などと書いてあるので、おとといの「音楽の歴史」講義で思わず「ヘンデルとスカルラッティがオルガンとチェンバロで決闘を」「初代組長のベートーヴェンが」と言いたくなっちゃって困りました。

さて、この生徒さんはとっても優秀な生徒さんです。先生の音、音楽、言葉を一言一句聞き逃すまいという姿勢が見えますもの。打てば響く勘の良さがあるのでしょう。ピアノの腕は響かないかもしれないけれど。
私が一番感動したのは、一小節ずつ譜読みをすることで音楽の奥行きを知ることができた、という
くだり。きっと指導したレイコ先生も、とても楽しいレッスン時間だったろうなと思いました。

このレイコ先生、実は「これホントの先生かな~?こんな先生いるかしら?」と猜疑心を持ちながら読んでいました。言っていることは本質なのだけど、どうも姿がイメージできない。と思ったら、最後に言葉遣いなどは変えて書かれたとのこと。すべての言葉を敬語に直してみると・・・ピアノの先生の姿が浮かび上がりました。

レイコ先生に「ダンシングクイーンが弾けますか」と問い「練習すれば、弾けない曲などありません」」と答えたという場面。
私もついこの間、「僕「月光」が弾きたいんだけど、初心者でも弾けますか?」と、コピーショップのお兄さんに問われ「弾けます!」と断言しており、なんでしょう、このデジャブな感じ。
世の中には、弾いてみたい曲があるけれど…と思っている人がうじゃうじゃいるんですね、きっと。だってほら、家でゴキブリ一匹みつけたらものすごい数がいるって…違いますか?そうですか。

最後に、ご本人の練習と発表会での演奏映像がQRコードで見られるようになっています。
えーっ!もっとへたくそなのかと思ってた!お上手です!時折まちがったり、発表会では緊張からストップしそうになったりしていますがそれは想定内。リズムは取れているし音楽になっています。何より、右手の4,5の指がしっかり動いています。またこのアレンジ、4の指がやたらと出てきますね。初心者は普通こんなに4,5の指は動きません。もともと指が独立して動いていたか、よっぽど練習したのだろうと推察(たぶん後者)。

この本が、何か一曲ピアノで弾きたい大人の後押しになればいいなあ。
「月光」を弾きたいお兄さん、レッスンに来ないかなあ…。