「●●●ときどきピアノ」をピアノの先生が読んでみた2020年08月02日

タイトルは時おり目にしていたものの、最初の単語にビビッて手にしていなかった本。
知り合いに勧められて読んでみました。


52歳のおじさんが初めてピアノを習い、発表会で「ダンシング・クイーン」を弾くまでのおはなし。
初めてレッスンを受けるときのドキドキ感や目からウロコ感が伝わってきて、一気に読みました。

楽器の競い合いを「決闘」、「ベートーヴェンは言ってみれば初代組長」などと書いてあるので、おとといの「音楽の歴史」講義で思わず「ヘンデルとスカルラッティがオルガンとチェンバロで決闘を」「初代組長のベートーヴェンが」と言いたくなっちゃって困りました。

さて、この生徒さんはとっても優秀な生徒さんです。先生の音、音楽、言葉を一言一句聞き逃すまいという姿勢が見えますもの。打てば響く勘の良さがあるのでしょう。ピアノの腕は響かないかもしれないけれど。
私が一番感動したのは、一小節ずつ譜読みをすることで音楽の奥行きを知ることができた、という
くだり。きっと指導したレイコ先生も、とても楽しいレッスン時間だったろうなと思いました。

このレイコ先生、実は「これホントの先生かな~?こんな先生いるかしら?」と猜疑心を持ちながら読んでいました。言っていることは本質なのだけど、どうも姿がイメージできない。と思ったら、最後に言葉遣いなどは変えて書かれたとのこと。すべての言葉を敬語に直してみると・・・ピアノの先生の姿が浮かび上がりました。

レイコ先生に「ダンシングクイーンが弾けますか」と問い「練習すれば、弾けない曲などありません」」と答えたという場面。
私もついこの間、「僕「月光」が弾きたいんだけど、初心者でも弾けますか?」と、コピーショップのお兄さんに問われ「弾けます!」と断言しており、なんでしょう、このデジャブな感じ。
世の中には、弾いてみたい曲があるけれど…と思っている人がうじゃうじゃいるんですね、きっと。だってほら、家でゴキブリ一匹みつけたらものすごい数がいるって…違いますか?そうですか。

最後に、ご本人の練習と発表会での演奏映像がQRコードで見られるようになっています。
えーっ!もっとへたくそなのかと思ってた!お上手です!時折まちがったり、発表会では緊張からストップしそうになったりしていますがそれは想定内。リズムは取れているし音楽になっています。何より、右手の4,5の指がしっかり動いています。またこのアレンジ、4の指がやたらと出てきますね。初心者は普通こんなに4,5の指は動きません。もともと指が独立して動いていたか、よっぽど練習したのだろうと推察(たぶん後者)。

この本が、何か一曲ピアノで弾きたい大人の後押しになればいいなあ。
「月光」を弾きたいお兄さん、レッスンに来ないかなあ…。

発表会が終わりました2020年07月12日

昨日、無事に発表会が終わりました。いやいや、まだ無事なのかはわからないですね。
今日からしばらくの間、感染者がでませんようにと祈るばかりです。

本番以外はマスクをして、1時間に一回楽屋やホールドアノブの除菌。3人演奏したら鍵盤を拭くスタイル、来場者も恐ろしいほど少なく(演奏者の家族のみ)、いつもとはまったく違う発表会でした。

でも出演者はいつも通り、緊張感あふれるステージ。さすがに長く練習しただけあって、みんな上手に弾けました。


「丸4カ月間音が鳴らなくなったホールに久し振りにピアノが鳴り響いて、ピアノが喜んでいます。」とキララホールの方々に言われたそうです。

…ホールも苦しんでいるんですよね。また、毎日のように音楽が鳴り響く日常が戻ってきますように。

このような発表会ができたのも、いつも準備を怠らない北原敦子先生がいるからです。
本当に皆様に感謝の発表会でした。

発表会2020年07月09日

4月から延期していたピアノ発表会。とうとう明後日開催です。
開催できるかどうかわからない状態が続いていましたが、再自粛もなさそうですし、今日になってなんとかできそうな気がしてきました。

生徒さんたちは3か月モチベーションを保ち続けることが大変だったと思います。
昨年の秋くらいから練習しているのですから、10か月近く同じ曲を弾き続けているわけで、貴重な体験でもあったでしょう。
本来なら大勢の方に聴いていただきたいところですが、密を避けるため出演者の家族、親族のみの入場となります。

客席は一席ずつ空けて座る
座ったところは、ご自身で使用前使用後に除菌していただく
出演者は、演奏の前と後に手洗いまたは消毒
頻繁にステージの鍵盤と椅子を拭き、客席のドアを開けて換気
…いつもの発表会では行わないことが多いです。
集合写真も撮りません。

細心の注意をはらって何とか無事に終わらせたいです。

もちろん出演者にはホールでの演奏を堪能してほしい。
お客様には、今では貴重になってしまったライブを楽しんでいただきたいです。


ホームページ2020年07月05日

レッスン室が新しくなり、ピアノが2台になりました。

奥に見えるロールスクリーンもお気に入りです。
大好きなウィリアムモリス。
窓からは富士山が見えます。
とても居心地がよくて、一日の大半をここで過ごします。

昨日調律したばかりで、弾き心地のよい、そして響きのよいピアノ。

ピアノ教室のホームページを新しくしました。ちょっと気合を入れて・・・。
といっても原稿を作っただけですが。まだまだこれから改良していきます。
お時間がありましたら、どうぞ覗いてください。




夢―逢魔が時?白昼夢?2020年06月10日

NHKBSプレミアムで毎朝5時から放送している「クラシック俱楽部」。コンサートに行けない日々が続くので、こちらの番組を見て演奏会ロスを癒しています。もちろん、録画して。5時になんて起きられないもので(笑)
先週、アリス沙良オットさんのリサイタルを放送。1曲目がドビュッシーの「夢」でした。

来月の発表会で、この曲を演奏する大人の生徒さんがいらっしゃるので、レッスンのあとに録画を一緒に見ることに。打鍵や音色など刺激を受けた部分が多かったようです。
一番話題になったのがリサイタル全体のコンセプト。「ナイトフォール」と題して、その他にサティやラヴェル「夜のガスパール」というラインナップでした。
アリスさんは、「ナイトフォールを日本語にするのが難しく、自分の中では『逢魔が時』」とおっしゃっていて、私はよくそんな言葉知ってるなと感心しました。もしかしてゲーム好きかしら?その世界にはよく使われそうな単語ですよね。それはともかく「夢」はそのようなイメージで演奏されていたわけです。ちなみに照明も素敵でした。

生徒さんは「私は、起きる直前の半分目覚めているようなイメージを持っていました」と。

私は、白昼夢というイメージを持っていました。

みなさんは、どんなイメージを持っていらっしゃいますか?

それぞれがその曲に対するイメージをもっているわけで、それをピアノで表現する…
なんと楽しい時間‼